乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「ごめん…先生に頼まれた事やってたから、気づかなかった」
陸さんの顔がまともに見れない。
陸さんは、一つため息をつくと、康大の方を見た。
「…友達?」
「あ…うん、一緒に今までやらされてたの…」
あたしの顔をじっと見た後、陸さんは康大に頭を下げた。
「どうも」
すると康大も近づいてきて頭を下げた。
あたしはハラハラしていた。さっきの事、康大が言うはずないけど、なんかこの状況…すごく嫌だ。
「奈緒の彼氏さん?」
…え!?
奈緒…!?
今奈緒って言った!?
いつも“藤沢”って呼ぶのになんで!
「そ、そう!なんか心配で迎えに来てくれたみたい!だから康大、ここでいいよ!また明日ね!」