乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
浮気してるわけでもないのになんでこんなにうろたえてしまうんだろう。
あ、でもさっきのキスは浮気の一つに入るのかな…
陸さんの腕を掴んで歩き出そうとしたとき、後ろから康大が叫んだ。
「さっきの事、マジで考えててよ!?」
「……」
振り返ったあたしはどんな顔していたんだろうか、きっと物凄く変な顔していたと思う。
なんで…
なんで今ここでそれを言うわけぇえ!?
康大はすごく意地悪そうな顔で笑っている。
こいつわざと陸さんの前で…!?
あたしは前を向き直し、再び陸さんの腕を引っ張って歩き出した。
「おい」
「……」
「おいってばっ」
しばらく歩いたところで、陸さんがあたしの手を振り切った。