乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「俺はしつこいよ、そんな話なら尚更。だって陸だから奈緒ちゃんの事諦めたんだから」
そういやこいつも奈緒に惚れていたんだっけ。
「…んー。俺らまじで別れるかも」
すると突然俺の胸倉を、広樹が勢いよく掴んだ。
「ふざけんなっそんな簡単に別れるとか言うなよっ!」
「…簡単に言ってねーよ。…最近、あいつの態度もなんかよそよそしくて。結局俺みたいな中途半端な奴より、ちゃんとした男の方が合うんじゃねーかって思ったんだよ」
「奈緒ちゃんはそんなあっさり気持ち変わるような子じゃねーと思う…俺、奈緒ちゃんが陸を想う気持ち、知ってっから…」
俺は広樹の腕を振り払い、引っ張られた服を直した。
「人の気持ちなんてさ、わかんねーもんだよ?」
「嘘だろ…陸、もう一回ちゃんと話し合えよ」