乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
その日の夜、開店準備をしていると、店の更衣室に入っていく愛華の姿を見つけた。
「おいっ」
俺の声に体をびくつかせ、後ずさりした。
「き…桐谷君…」
愛華は店に置いていた物を取りに来たのか、大きめの紙袋を持っていた。
「お前…なんであんなことしたんだよ…」
「ごめんなさいっ…お金に目がくらんじゃって…」
深々と頭を下げて、顔を上げようとしない。
「俺とは…ヤッてねーんだろ…?」
その言葉に顔を上げ、コクンと頷いた。
「あの夜…気を失った桐谷君を裸にして…写真撮っただけ…ヤッてはないの…」
ほっとした。
気失ってんのにヤってたら、まじ自分で自分を殺したくなる。