乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「なら…いいわ。もうこんな事、すんじゃねーぞ」
「うん…ごめんね本当に…」
愛華は申し訳なさそうに更衣室に入って行った。
「陸っ…」
美優が後ろから俺を呼んだ。
「どうしたの?愛華と何かあった?なんか岩井君達もみんな一気に辞めることになったって聞いて…陸何か知ってる?」
「…いや、知らない…」
「そっか…でも良かった。あたし岩井君達苦手だったから…」
「なんで?」
「んー、あっちがあたしの事ただ単に気に入らないだけなのかも。だからね、今回辞めるって聞いて、陸がまたあたしを守ってくれたのかなぁって思っちゃった」
そう言い、上機嫌で笑っている。
「…んなことねぇよ」
これ以上、俺に何かを期待されても困る。
俺は仕事に再び取り掛かろうとした。その時。