乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】


「え、ちょっと康大っどういうこと!?」


舞香が康大に詰め寄ると、康大は笑って、「まぁ、こういうこと」と、あたしの手を強く握った。


『えええーーーーー!?』


みんなの驚きの声が重なりあったのも束の間、康大はあたしの手をひいてその場から歩き出した。



「ちょっ、康大!待ってよ!」



あたしの声など聞いちゃいない。

振り向きもせずにどんどん歩き出す。

手の力が強くて、振りほどくにもほどけない。


どうしようっ!!!


後ろを振り返ると、口を開けたままの舞香と、驚いた顔をしたみんなの顔が、遠ざかって行く。


あああ…


舞香になんて言ったらいいんだろう…!!



< 225 / 296 >

この作品をシェア

pagetop