乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
日差しが海に反射してとても綺麗だった。
今日は風も穏やかで、優しい海の匂いが漂っている。
陸さんと二人で花火をしたり、どこかへでかけた帰りにここに寄って一緒に海を見たり、…そして、付き合ったのもこの場所だ。
ここは陸さんとの想い出がありすぎる場所。
康大は一足先に階段を下りて砂浜に足を踏み入れていた。
「何してんだよ!?お前もこいよ!」
康大の声にハッと我に返り、急いで階段を下りた。
そういえば、この階段でつまずいて、陸さんに手を引っ張られたこともあったっけ。
あの時は付き合ったばかりで、陸さんの事は何も知らなかったけど――――――
あの頃よりも、ずっとずっと好きになっている。
目頭が熱くなり、あたしは慌てて手で拭った。