乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】

「もう心配させねーから。店も辞めるし」


「…そうなの!?」


「ん。頼まれごとってやつも片付いたしな」


「陸さん…本当に美優さんじゃなくて、あたしでいいの…?だって…美優さんを抱きしめてるとこ見ちゃって…」


優しく抱きしめてた。それは今でも目に焼き付いていて離れない。


「あー…あれ見られてたのか。あれな、あいつが客と色々あって。ただ慰めてただけ。それ以上の感情はない」


「…本当に…?」


「おめー…信じろよ」


勢いよくキスされ、それは次第に深いものへと変わっていく。


「ん…んんっ」


突然されたので、息が苦しい。


「奈緒だから、あいつの頼みごとも聞いてやった。そうじゃなきゃそんな事しねーよ」


< 243 / 296 >

この作品をシェア

pagetop