乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「そんなさぁ…きょどんなよ…」
あたしの顔色を見てか、苦笑いを見せている。
非常にヤバイ…これは隠せない…かも。
「じ…実は…キスされた…」
俯いてそう答えると、「まじあいつぶっ殺す」と立ち上がったので、慌てて足を掴んだ。
「ちょっ…辞めてよっスキ見せたあたしも悪いんだし!」
「…冗談だよ」
再びその場に座ると、ため息をついた。
「ほんっと。おめーを外に出させたくねー監禁すっかなー」
「そんなっ…」
フッと鼻で笑い、
「まぁ…今回の事は俺のせいでもあるし」
と、少しいじけた表情を見せた。
「ごめんね…」
「でも。あいつをぶっ殺してー気持ちなのはホント」
両手であたしの顔を包み込む。
「早く忘れろよ…」
そう言ってまた熱い口づけをされた。
陸さんのキスは特別で、今までの辛いこととか、全部忘れちゃうくらいすごいの。
まるで魔法みたいに、頭の中が真っ白になる。
そして温かくて、優しくて。
何度も、何度もあたし達はお互いの存在を確かめ合った。