乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
償い―side 陸―
―side 陸―
久しぶりに抱きしめた奈緒の体は以前よりも細くなっていて、痩せたことに気づく。
ストレスや精神的に不安定になると、すぐ痩せてしまう体質らしい。
俺はそこまで奈緒を苦しめていたのかと思うと、自己嫌悪に陥る。
もっと早く、ちゃんと話していればよかった。
あいつは俺の腕の中で、涙を見せながら笑っていた。
例え嬉し涙でも、奈緒の涙は苦手だ。
ずっと、笑っててほしい。
そのためにも
美優に会って、ケリつけなきゃなんねぇ。
きっと、奈緒にとって美優の存在が一番不安なんだろうから。
俺は翌日の夕方、仕事帰りに美優のマンションへ向かった。