乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
償い―side 陸―



―side 陸―



久しぶりに抱きしめた奈緒の体は以前よりも細くなっていて、痩せたことに気づく。

ストレスや精神的に不安定になると、すぐ痩せてしまう体質らしい。

俺はそこまで奈緒を苦しめていたのかと思うと、自己嫌悪に陥る。

もっと早く、ちゃんと話していればよかった。


あいつは俺の腕の中で、涙を見せながら笑っていた。

例え嬉し涙でも、奈緒の涙は苦手だ。

ずっと、笑っててほしい。



そのためにも


美優に会って、ケリつけなきゃなんねぇ。


きっと、奈緒にとって美優の存在が一番不安なんだろうから。



俺は翌日の夕方、仕事帰りに美優のマンションへ向かった。



< 247 / 296 >

この作品をシェア

pagetop