乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】


西区にあるこのシャレた外観のマンションは繁華街にほど近い場所にある。

見た感じも新しく、エントランスには最新型のオートロックシステムが設置されてあった。


事前に電話で美優から部屋番号を教えてもらっていたので番号を押すと、すぐに美優の声が聞こえた。


『はーい。今開けるね』


5階に辿り着くと、すでに美優が玄関の外にいた。


「陸~お疲れ様ぁ」


満面の笑みで俺を出迎える。

そして“中に入って”と、俺を部屋の中に招き入れた。


「出勤前にわりーな、急に」


「ううん、陸の事ならいつでも時間作るよ」


そう言ってキッチンへと向かう。


広々としたリビングは、一人暮らしにしては十分な広さだった。


3人掛けのソファーに腰を下ろすと、美優がアイスコーヒーを出してくれた。


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