乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「それで…話って?」
美優が隣に座る。
「俺、今月で店辞めっから」
美優の表情が一気に曇った。
「…辞める?」
「ああ。もう店長にも話してある」
「どうして急に!?なにかあったの!?あ…もしかしてこの前岩井君達が一斉に辞めたことと何か関係があるの!?」
「いや…それはない。前から、おめーのあの客の事が落ち着いたら辞めようと決めてたし」
「そんな…」
驚きに満ちた表情で俺を見つめる。
「あの客はもう大丈夫なんだろ?」
店長に聞いた話によると、水面下であの客の行動を調べていたらしいが、北海道へ転勤したと聞いている。
あれから怪しい行動もしていないようだし、もう美優に付きまとう事もないだろう。
「…わかんない」