乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】


「なら…もういいの…あたしは陸がそばにいなきゃ生きてる意味がない」


そう言って手に力を込めた瞬間、俺は美優の腕を握った。


「バカな事すんじゃねぇよっ!!」


「離してよっ…もう陸には関係ないじゃんっ…」


美優の力は、女にしては結構強かった。



力ずくで包丁を奪い取ったが、美優が手を伸ばし俺から取り返そうとした。


その時…



包丁の先が、俺の横っ腹を突き刺した。



「いっ……てぇ…」



いってぇなんてほどのもんじゃなかった。


腹からドクドクと血が流れ出てくる。


たちまち床は血の海となった。



「り…りくっ…!!!」


美優が倒れこむ俺の側にかけより、叫んだ。


顔が青ざめている。


「お…おめー…簡単に…命捨てんじゃ…ねぇ…よ…」


< 253 / 296 >

この作品をシェア

pagetop