乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「なら…もういいの…あたしは陸がそばにいなきゃ生きてる意味がない」
そう言って手に力を込めた瞬間、俺は美優の腕を握った。
「バカな事すんじゃねぇよっ!!」
「離してよっ…もう陸には関係ないじゃんっ…」
美優の力は、女にしては結構強かった。
力ずくで包丁を奪い取ったが、美優が手を伸ばし俺から取り返そうとした。
その時…
包丁の先が、俺の横っ腹を突き刺した。
「いっ……てぇ…」
いってぇなんてほどのもんじゃなかった。
腹からドクドクと血が流れ出てくる。
たちまち床は血の海となった。
「り…りくっ…!!!」
美優が倒れこむ俺の側にかけより、叫んだ。
顔が青ざめている。
「お…おめー…簡単に…命捨てんじゃ…ねぇ…よ…」