乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
治療室の赤いランプをずっと眺めていた。
バイクのテイルランプを思い出す。
キラキラしてて綺麗で。
陸さんの笑顔だけが浮かんでくる。
今もすぐそばで笑っているみたいで。
“あー、これ嘘だから。ごめーんね?”
なんて、ふざけて言ってくるんでしょ?
ね、きっとそうだよね…?
しばらくして看護士さんが扉を勢いよく開けた。
「桐谷陸さんのお知り合いの方ですか!?」
「は、はいっあのっ彼の容体は…」
看護士さんは額に汗をかきながら、深刻そうな表情をした。
「非常に危ない状態です!どちらか血液型がO型ではないでしょうか!?」
「あ、あたしO型です!」
「ああ、よかった…輸血させていただきたいんですが…」
「かまいません!いっぱい採ってください!」
すぐに看護士に案内され、検査室へと向かった。