乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
血液検査をして、約一時間ほど待たされた後、輸血が行われた。
陸さんと同じ血液型で良かった。
前に“おめーと俺は正反対の性格なのにな”なんて陸さんに言われた事あったっけ…
思い出して笑みがこぼれた。
あたしはなぜか、とても冷静だった。
陸さんが簡単に死ぬはずがない。
絶対、絶対死なない。
そう信じていたから。
輸血後、ベッドの上で休んでいると、美優さんが部屋に入ってきた。
洋服の血はそのままだが、手は綺麗になっていた。
「体調…大丈夫?」
「はい…」
ベッドの側の椅子に座ると、深く頭を下げてきた。
「本当にごめん…」
「…美優さん、何があったのか、話してくれますか?」