乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
未来へ
数か月後―――
「あー奈緒~!!明日から毎日会えなくなると思うと…寂しいっ」
教室で舞香が突然後ろから抱きついてきた。
「びっくりしたぁ…あたしも寂しいけどさ、遠くに行くわけじゃないもん、すぐ会えるでしょっ」
「…そうだけどぉ」
今日は卒業式。
高校の三年間は色んなことがあった。
陸さんと出会って、お母さんと一緒に暮らすことになって、バイトして…
長いようで、あっという間だったな。
でもあたしにとって、すごく大切な3年間だった。
「おいっおめーらの顔すんげーブスに映ってるぞ」
康大があたしと舞香の間に割り込んできて卒業アルバムを広げる。
「えええ!?」
見てみると…
遠足の時の写真だった。
確かにあたしと舞香がドアップに映っている。