乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「そういやさ、今日いつものメンツで遊ぼうって言ってたんだけど奈緒来ない!?」
「あー…ごめん!用事あるんだ…」
「あ、なにぃ?彼氏??」
「うん…今日終わったら職場に行く約束してて」
「へぇ~!じゃ、しょうがないね。週末にクラスの卒業パーティもあるしね」
卒業式が終わったら、現場に来てって陸さんに言われていた。
そんなの事言われたの初めてだからどうしたんだろうって思ったけど。すごく嬉しかった。
陸さんの働いているところが見れるんだもん。
陸さんが今働いている現場は学校から歩いて20分くらいの場所だった。
古びた病院をリフォームしているって話では聞いていたけど…
現場に着いたものの、誰に声を掛けていいのかわからない。
陸さんの姿もないし…
どうしよう…
その時、見覚えのある顔があたしの目の前を通り過ぎた。
ヘルメットをかぶってるけど、間違いない!
「い、今江君!?」