乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「まぁ、奈緒の監視役ってとこだな。」
それって…。
あたしが変なのに絡まれないようにってこと…?
陸さんはそういう事まで考えてくれていたんだ…
胸がきゅーって熱くなってくる。
そしてすごく愛おしくなる。
「帰るべ?」
そう言って単車にまたがった陸さんの後ろに乗り、あたしは陸さんをぎゅっと抱きしめた。
「わお、そういうことここでやんの辞めてくれる?俺始まっちゃうよ?」
ケラケラ笑う陸さん。
本当に大好き。
さっきの優奈って子の事も気になるけど、聞かないことにした。
大丈夫、陸さんなら信用できるもん。
…それにしても、さっきはすっごい楽しそうにみんなと話してたけど。
本当は一緒に走ったりしたいんだろうな。
陸さんの目を見てればわかる。
あたしのために引退してくれたことは嬉しいけど、少し申し訳ない気持ちになってしまった。