乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
今江君は手際よくあたしに温かいお茶を出してくれた。
「ふふっ…なんだかOLさんにもなれそうだね」
「え!まじっすかぁ!?」
愛嬌ある笑顔をあたしに見せた瞬間、突然携帯が鳴った。
「あ、俺です…すみません」
今江君があたしから少し離れて電話に出た。
「優奈!」
その声にどきっとした。
優奈――――
優奈って…前に今江君が陸さんに…
“優奈が寂しがってましたよぉ”
それに対して陸さんが…
“あーまじか。最近遊んでやってねぇしな。今度遊ぶべって言っといて”
って言ってた…あの優奈!?
急に鼓動が早くなり、あたしは今江君の声に耳を傾けていた。
「仕事中だからー電話はダメだって何回も言ってるだろ!?」