乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
体の力が一気に抜けた。
「どうしたんですか!?」
「あははは…」
急に笑い出したあたしを、今江君は変に思ったかも。
でも良かった…
妹だったんだ…
あたしってばてっきり。
陸さんを信用するとか言って全然だめじゃんあたし…
「じゃ、俺戻りますけど」
「うん、頑張ってね!」
今江君が出て行ったのと入れ替わりに、今度は40代くらいの怖そうなおじさんが入ってきた。
「あ、すみませんっ」
パイプ椅子から立ち上がると、おじさんは一気に笑顔になった。
「いいよいいよ、そのままで」
「は…はい…」
「桐谷の女だろ?」
「はいっ…」
おじさんは湯呑にお茶を入れるとあたしの目の前に座った。