乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】


もしかして…この人が親方さんって人かな…?


「あの…親方さん…ですか?」


恐る恐る聞くと、突然笑い出した。



「あはははは…“親方さん”か…」


「え…あの…」


何!?なんかあたし変な事言った!?


「桐谷の女だっていうからどんなスレタ奴連れてくんのかと思えば…こんな純情そうな子だとはな」


「す、すれた!?」


「いや、ごめんね。確かに“親方”です。桐谷とは知り合って5、6年くらい…かな」


「いつもお世話になってます!」



あたしはその場に立って深くお辞儀をした。



「あははははっ…よく出来た姉ちゃんだね」


「え…」


だって、この人が陸さんをひろってくれたんだよね。


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