乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】

あたしが黙って見つめていたせいか、康大もこちらに気づいたようだ。


「あ~~~えーーーーーーーっと」


すると突然頭を抱えて考え出したのでびっくりした。


「ん~…確か“な”がついたようなぁ…」


人差し指であたしを差しながら懸命に名前を思い出してるようだ。

つい2か月前くらいにクラスで自己紹介したんだけどな…

やっぱり自分は影が薄い存在なんだと思うと、ちょっとがっかりする。


「奈緒だよ!藤沢奈緒。あんた頭わるっ!!」


舞香が横で大笑いしている。


「ぁあ~!奈緒だ奈緒!思い出した!奈緒ね!!!」


2人に何度も名前を連呼されると恥ずかしくなってしまう。


「あ、奈緒は康大と初めて同じクラスなったんだっけ?」


「う、うん…」



< 31 / 296 >

この作品をシェア

pagetop