乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
あたしが黙って見つめていたせいか、康大もこちらに気づいたようだ。
「あ~~~えーーーーーーーっと」
すると突然頭を抱えて考え出したのでびっくりした。
「ん~…確か“な”がついたようなぁ…」
人差し指であたしを差しながら懸命に名前を思い出してるようだ。
つい2か月前くらいにクラスで自己紹介したんだけどな…
やっぱり自分は影が薄い存在なんだと思うと、ちょっとがっかりする。
「奈緒だよ!藤沢奈緒。あんた頭わるっ!!」
舞香が横で大笑いしている。
「ぁあ~!奈緒だ奈緒!思い出した!奈緒ね!!!」
2人に何度も名前を連呼されると恥ずかしくなってしまう。
「あ、奈緒は康大と初めて同じクラスなったんだっけ?」
「う、うん…」