乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
マックに着くまで、何度家に帰ろうと思ったか。
“熱が出ました”
って何度電話しようと思ったか。
でも性根が真面目なあたしはそんな事できるはずもなく。
まぁ、ただ単に電話もできない臆病者ってことかな…
でもこの日は雨だったせいか、昨日よりも店は空いていた。
「どう?できそう?」
「は、はい」
美優さんに一から接客の事やレジの打ち方などを教えてもらったが、やっぱりちんぷんかんぷん。
だってその他にドリンクの作り方や物の補充の仕方、厨房でも色々教わってあたしの頭の中は今にもパンクしそうなんだもの。
自分で書いたメモ帳もごちゃごちゃで何を書いてるかわからない。
「とりあえずやってみるしかないよ。最初のうちはあたしがそばにいるからやってみて?」