乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】

美優さんにそう言われ、何回かぎこちない笑顔で接客してみた。

なんとかできたけど、それは側に美優さんがいたから。

これが一人でなんて絶対無理!!!


「藤沢さん、できてるよ!大丈夫大丈夫」


美優さん…なんていい人なんだろう。

こんなダメダメなあたしを元気づけてくれるなんて。


こんなにいい人なのに、舞香はなんで嫌ってるんだろ。



しばらく接客してるうちに、だんだんスムーズにお客さんとのやり取りができるようになった。


「いらっしゃいま…せ!?」


店に入ってくる学生を見て驚いた。


肩掛けのバッグをリュックのように背負い、携帯をいじりながら入ってきたのは康大だった。


友達を連れてこちらに笑顔で歩ってくる。


本当に来るなんてぇえええ…!!

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