乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
急に乙女の顔になった美優さんを可愛いと思った。
こんな綺麗な人にこんなに思われてるなんて…
「その人とは連絡は…」
あたしの言葉に首を横に振る美優さん。
「取ってない。別れてから何回か見かけたんだけどね、声かける勇気なかったんだ。きっとあっちはあたしの事なんか忘れてるだろうし」
そう言ってはにかみながら笑っている。
なんか胸が苦しくなって切なくなってしまう。
「きっと忘れてなんかないですよ!美優さん自信もってください!後悔しないように今度見かけたらその人に話しかけてみてくださいよ!」
こんなに細くて可憐な人、相手も忘れるわけない。
あたしは心の底から美優さんとその人がうまくいくといいなと思った。
「…ありがとうね」