乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「陸さん…」
あたしの腰はもう砕けそうで立っていられない。
「奈緒、そういう顏他の奴に見せんなよ」
「…え?」
陸さんはもう一度強く抱きしめた後、あたしの体を離した。
そして単車にまたがり、メットを付けている。
「…じゃな」
そう言って笑い、エンジンを吹かして行ってしまった。
あたしは陸さんが見えなくなるまで見送った。
ドキドキが止まらない。
もう二年も付き合ってるのに、こんなときめきが一生続くのかと思うと、自分は寿命が短いんじゃないかと思った。