乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】


「だって美優さんいると断れないんだもん」


美優さんは二つ年上のバイトの先輩らしい。

年上のせいか威圧感たっぷりで、誘いを断ったら何かと陰で言われるんだそうで。

そういう人間関係がめんどくさいって舞香が前に嘆いてた。


「あ、ねえ!奈緒もマックで働こうよ!」


「ええ!あたしがぁ!?無理無理!」


無理に決まってる。今までバイトなんて一度もやったことないし、人見知りのあたしが接客業なんて…絶対向いてない。


それにその美優さんって人も恐いし。


「無理じゃないって!結構簡単だよ!?奈緒がいればあたしも嬉しいな!たまにある集まりも億劫じゃなくなるし!」


「ううーん…」


「何?彼氏にダメだとか言われてんの?」


そういえば陸さんに今までバイトやりたいなんて一度も言ったことなかったな。

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