乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「ふーん…」
「…陸さん?」
「あのさ、まだバイト続ける気?」
「え?そりゃもちろん。てかまだ始めたばっかだし」
「もういんじゃね?金なら俺がやるから辞めろよ」
「だからそれが嫌なの!やっと慣れてきたころなのに…なんでそういうこと言うの?」
久しぶりに言い合いになってしまった。
こういう時はあたしが先に折れたりするんだけど、今日はそうもいかない。
せっかく慣れてきたバイトを辞めることはできない。
陸さんはしばらくあたしの顔を見つめた後、深いため息をついて単車にまたがった。
エンジンを勢いよく吹かし、さよならの挨拶もなしに闇の中へと消えて行った。
今回はあたしはなーんにも悪くないもん!
絶対あたしから誤ったりしないんだから!
その夜も一切陸さんからメールが来ることはなかった。