乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
あたしも横のベンチに座ると、康大がそれに気づいて体を起こした。
「あれ、…辺見と舞香は…?」
「あ、二人は飲み物買いに行っちゃったよ…大丈夫?」
「あーうん…つーかかっこ悪りぃとこ見られたな」
そう言ってははっと笑っている。でもまだ顔は青い。
「無理しないでまだ横になってたら?」
「ん。でもさっきよりだいぶ楽になった」
「てかさ、なんで苦手なのにムリして乗っちゃったの!?」
「だって…場を盛り上げんのが俺の役目じゃん?」
そう言って再び横になる康大。
「あいつらが早くうまくいけばいいなって思ってさ…」
自分を犠牲にしてまで…
康大って友達思いだな。
嫌な奴とか思ってたけど、やっぱりちょっといい奴なのかもしれない。