乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
数分経っても舞香たちが帰ってくる様子はなかった
どこもかしこも激混みだから、きっと飲み物一つ買うのでさえも、並ぶのだろう。
「なぁ。このままあいつら二人っきりにさせねぇ?」
「え?」
「作戦その2…開始!」
「え、ちょっと!まだ具合悪いんじゃ…」
あたしの言葉を最後まで聞かぬまま、康大は立ち上がり、あたしの腕を引っ張った。
そしてそのまま舞香たちの見えないところまで早足で歩く。
「ねぇ、そろそろいいんじゃない!?腕離して…」
さっきから強く握られてる腕の部分が熱い。
「あ、悪い…」
康大もそれに気づいてきまづそうに手を離した。
あたしは急いで舞香にメールした。
“帰りにまた会おう!頑張ってね!”っと…。
これでよし。
舞香、ガンバレ!!と、心の中で祈った。