乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】

結局あたしは康大と一緒にランドを回ることになった。

別に何をするわけでもないし…康大は友達なんだから、大丈夫だよね…?


そう自分に言い聞かせた。


「もう中盤だけど、ランドに来たらまずこれ買わなきゃな」


と、康大に連れてこられたのはお土産やさんだった。

色んなキャラクターの耳がついているカチューシャの前に辿り着くと、康大が適当に選んであたしにかぶせてきた。


「ん~。藤沢はこれが似合うんじゃね?」


そう言って渡されたのはプーさんの友達、ピグレットのカチューシャだった。


「え、ピグレット?」


「うん、似てるじゃん」


それって…豚に似てるってこと…?


「ピグレットってさ、性格が穏やかで誠実なんだよな。なんかお前に似てね?」


その言葉に不覚にも胸がときめいてしまった。


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