乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】

その時、この前の今江君と陸さんの言葉が頭をよぎった。


“優奈が寂しがってましたよぉ”

“最近遊んでやってねぇからな、今度遊ぶべっていっといてぇ”


陸さんだってほかの女の子と結構遊んでるみたいだった。

別にクラスメイトだしなんとも思ってないんだから、カラオケくらいいいよね?

それに今日は舞香が一大決心した日なんだし。



あたしは“いいよ”と舞香に言った。


舞香は大喜びで辺見君と康大の元へと走っていく。

どきっとした。

遠くから康大がこっちを見ていて、目が合ってしまったから。

あたしは気づかないフリして咄嗟に逸らしてしまったけど…

別に変に思われてないよね…


舞香に手招きされ、あたしは小走りでみんなの元へと向かった。


< 76 / 296 >

この作品をシェア

pagetop