乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
金曜日の夕方ともあって、駅前のカラオケ屋は混雑していた。
陸さんとは数回来たことあるけど、あたしは聴くのが専門だった。
だって陸さんうまいんだもん…そんな人の前で絶対歌えない。
あたしはバッグの中から携帯を取り出した。
今日も何も連絡が来ていない。
いい加減そろそろ仲直りしないとまずいかもしれない…
そんな事を思いながら、みんなの歌声を聴いていた。
舞香は西野カナやAKBの歌を元気いっぱいに歌っている。
高い声もすんなり出ていて羨ましい。
あたしも舞香みたいになりたいな…
デンモクを眺めていると、隣に座っていた康大が覗いてきた。
「藤沢は何歌うの?」
「ん~あたしあんまカラオケこないから何歌っていいのか…」
「普段何聴くの?」
「エグザイルとか…?」