乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「おし!じゃー歌ってやるよ!」
そう言って康大はエグザイルのバラードを入れた。
あ…この曲、陸さんも前に歌ってた。
別れた人の事を思って歌った切ないラブソングだけど、あたしはこの歌が好きだ。
康大も中々上手い。
でもやっぱり…この曲を聴くと陸さんを思い出しちゃう。
あたしは康大が歌い終わるのと同時に部屋を出た。
携帯電話を握りしめて。
陸さんに会いたい。
あって抱きしめたい…
なんだかあの曲を聴いてから胸が締め付けられる感じがする。
廊下の端で陸さんに電話をかけてみることにした。
しかし、何度鳴らしても出る様子がない。
まだ仕事中かもしれない…
数回掛け直してから、諦めてメールを送った。
“今日会えませんか?”
と。