乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
奈緒は今まで俺がどんなにひどいことをやってきたのか知らない。
昔の俺は本当に最悪で、もう誰に殺されてもおかしくない生き方してきた。
そんな俺を奈緒が知ったら。
さすがに嫌気をさすかもしれない。
あいつは辛い思いを抱えながらも、純粋で素直に育ってきたから、多分すげー傷つくと思う。
それが怖かった。
…女を思って怖いなんて思ったの、奈緒が初めてだ。
こういう俺にさせたのもあいつだし。
本気で奈緒を失いたくないと思う。
美優と再会した翌日の昼休憩の時、俺は奈緒のバイト先に行った。
目的は美優に会うため。
美優は俺を見て一瞬驚いた顔を見せたが、すぐに笑顔に変わった。
「久しぶりだね…この前は驚いちゃった」