乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「それも全部あの子のため…?」
「まぁ…それもあるけど、俺もそろそろ潮時だって思ってたんだよ」
「ねぇ陸…あたし陸の事本気で好きだった。…知ってたよね?」
そんな事、痛いくらいわかってた。
でもあの頃はそういうのがうざくて、全部心を閉ざしてた。
もう一度人を本気で好きになるなんて考えられなかった。
「知ってた。俺、お前の事雑な扱いしてきたから…悪いと思ってる」
すると美優の口元が歪んだ。
「あたしあの時すごく傷ついた。周りからもセフレって呼ばれるし陸も否定してくれなかったよね…?あたしは陸の事わかろうとしてた。信じようとしてた」
俯いた美優の瞳に、涙が溢れていることには気づいていた。
今は…ただただ謝るしかない。