乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「…お前の気が済むまで殴っていいよ」
「っ!そんなことできるわけないじゃんっ…」
「でも俺はお前に何もしてやれねーし、散々な事やってきたんだからそんくらい覚悟してる」
「いい…ホントにそれはできないから。その代わりといってはなんだけど…一つお願いがあるの」
「…なに」
「あたし夜の仕事もしてるんだけど…」
「キャバ?」
「うん…そこで黒服として一緒に働いてほしい」
「…は?」
「毎日とは言わないから。お客さんでしつこい人いて…その人の前で彼氏のフリしてくれればいいから」
「しつこいって…ストーカーみたいな?」
「うん。ちょっとそんな感じ。彼氏いるって言っても全然だめなの」
そのくらいの頼みなら…受けてもいいよな。
他に何もしてやれないしそれでこいつの気が晴れるなら。
俺は少し考えてから「いいよ」と返事をした。