低空飛行
…私は、元々こんなにネガティブだったわけじゃない。
自分の体のことをよく理解していなかった頃は、人並みに明るい子だったと聞かされた。
けれど、年を重ねるにつれ、他の人と同じではないことを知る。
…自分の足では、歩けないという事実を知る。
なんで、私が。
どうして、みんなと違うの?
何度も両親を恨んだ。
言ってはいけないことだと分かっていて、鋭い刃物のような言葉で
両親の心を抉った。
親も、私のことで辛い思いや、苦しい思いをしていると
心のどこかで分かっていたが、自分を止めることができなくなっていたのだ。
そんな言葉を言っても、歩けるようになるわけでもないし、
自分の心を和らげることなどできないと分かってて振り翳した言葉。
…精神的に、もう疲れていたんだ。
自分の気持ちも、ましてや相手の気持ちなど考えられなくなっていく。
気づけば、私の心は悪魔に蝕まれて、
人の心を、人を思いやる心をなくしていた。