ボクの中のキミへ
日曜日、朝から俺は柚に教えてもらった病院に向った。


意外にもその病院は、以前俺が足を骨折した時に入院した事があり、すぐに見つける事ができた。


(私、ここにいるんだ‥)


事故に遭い、病院に運ばれた時にはすでに意識がなく、柚は自分の入院している病院を見るのは初めてだという。


「柚‥大丈夫?」


俺は柚が心配だった。


6年前の自分しか知らない柚、俺もそうだけど‥

俺とは比べものにならないほど不安なはずだ。


(私は大丈夫!‥海君こそ‥私を見て気持ち悪いとか思わないでね)


柚は笑っているけど不安を隠しきれていない。


気持ち悪いなんて‥思うはずがない。


ただ俺は‥

本当の柚の姿を見るのが今でも怖い。

元気じゃない柚を見るのが怖い。


それが本音だった。


病院に入り、ナースステーションで柚に教えてもらった名前【広木柚】の部屋を聞く。

601号室だと教えてもらい、エレベーターで6階に向かった。


もうすぐ俺は柚に会う。


薬品の臭いが鼻をさした。


6階に着くと、音もなく静かな空間が広がり、すぐに601号室が見つかった。
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