ボクの中のキミへ

忘れない

受験も無事に終わり、俺は4月から高校生になった。

行きたかった高校には少し成績が届かず、一つランクを下げる事になってしまったが‥



頑張ってたのは私が知ってるから!



そう柚は励ましてくれるが‥柚に励まされる自分がつくづく情けない。

だって柚は、自分の足で高校に行く事もできないのだから。


(ねぇ海君、早く彼女作りなよー)


最近の柚の口癖だ。


「なんでたよ!別に俺、女とか興味ないし‥」


柚はどうして彼女を作れと俺に言うのか。

俺には柚がいるのに‥

少し複雑な気持ちになる。


(私が海君の邪魔してるのかな‥?)


柚のこの言葉、俺は大嫌いだ。


「‥いい加減にしろよ。」


(ゴ‥ゴメン)


俺が本気で怒ったのが分かったのか、柚はすぐに謝った。


「俺は‥柚がいてよかったって思ってるよ。だから‥変な気使うなよ」


(‥うん)


俺と柚は同い年。

だから柚も今年16歳だ。
小学生とは違い、色々な事を考える歳なのかもしれない。


高校では部活に入らなかった。

俺は夢ができたんだ。


医者になる。


医者になって柚を助けたい。
そして柚と向かい合って話すんだ。


それが今の俺の夢。
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