ボクの中のキミへ

ボクの天使

柚が僕の中に入ったまま、2学期が始まった。


いつも僕は、まあ君と一緒に登校する。


「海、ちゃんと宿題終わった?」


まあ君は頭がいいから、宿題なんか夏休みが始まってすぐに終わらせるって前に聞いた事がある。

僕は算数が嫌いだ。

だから算数の宿題には手も付けていない。

その事をまあ君に話すと、すぐに柚が話しかけてきた。


(ダメだよ海君!早く学校行って宿題しよ?私教えてあげるから)


余計なお世話だ‥

柚は面倒見のいい女の子だ。

それが時にはウザったく感じた。


「学校の時は話しかけない約束だろ!」


僕はムッとなり、つい声に出してしまう。
まあ君はびっくりした顔で僕を見た。


「え‥ごめん‥余計な事聞いたよな‥」


柚の声は僕にしか聞こえない。

まあ君は自分が言われたんだと勘違いしてしまった。


「あっ‥違うんだ!まあ君じゃないよ!」


今ここには僕とまあ君しかいない。
僕はおかしな奴だと思われに違いない。


(ごめんなさい‥海君。)


柚は謝ってきたけれど、これ以上は話せないと思い僕は黙り込んだ。


柚は勉強ができた。

先生に当てられた時、僕が答えられずに困っているといつも助けてくれる。


日が経つにつれて、僕は柚がすごく便利に思うようになってきた。


僕は最低な人間だ。
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