ボクの中のキミへ

キミがいる事

「海!今日部活行く!?」


授業が終わると、クラスの違うまあ君が俺を呼びに来た。


「悪い!今日ちょっとテスト勉強するから!」


まあ君とは少し気まずい時期もあったけど、今はもうすっかり昔のように戻った。

周りからは中学生にもなって【まあ君】と呼んでいる事を馬鹿にされた事もあるけれど、まあ君はまあ君だ。


「勉強かよ‥そういやもうすぐテストだもんな!」


まあ君はそう言って部活に行った。

中学に入って俺とまあ君はバスケ部に入った。


(私バスケ大好き!)


そんな柚の一言でバスケ部を選んだ。

まあ君は入りたい部活がなかったから、俺に合わせてバスケ部になった。


小学生の頃に、親や友達を不安にさせていた【独り言】は、俺のクセと片付けられた。

そのお陰で、今は毎日の生活が充実している。


そして柚は俺と同じように成長しているように思った。


見た目はどうだかわからないけれど、柚の話す内容からしてきっと大人になっているんだと思う。


(もうすぐ受験だね)


学校の帰り道、柚はいつもの様子とは少し違った暗い声で話しかけてきた。
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