ツンデレちゃん!!









………『くれ』……?





「ちょっ、ばかじゃないの⁉ あげないし!」


「…貸せ」


「イヤです」


「見せろアホ」


「アホって、……っ‼」








………あたしは、その時、見てしまった。








風間の開いた鞄から、数学の教科書がひょっこり見えているのを…





「風間、教科書あ…」


「黙れバカ」



風間はあたしの口を手で塞ぐと、もう片方の手で器用に机をくっつけてきた。






「……これも作戦だ。………おとなしくしてろ」


「…っ、」




風間はこっそりとそう言うと、まるで自分の教科書のようにページをめくった。








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