ツンデレちゃん!!
篠原はあたしの呼びかけには答えず、顔を近づけてきた。
顔を背けようとしたけど、篠原に顎を取られて叶わない。
自由になった片手で篠原の胸を押すけど、びくともしない。
「……こんな乱暴な真似はしないよ」
「…っ……」
篠原の笑った声が聞こえて目を開けた。
すぐに手が自由になって、顎の手も離れた。
そして篠原もあたしから離れた。
あたしは一気に力が抜けて、その場に座り込んだ。
篠原はあたしの目線に合わせてしゃがんだ。
「…瑠奈ちゃんは、大丈夫だよ」
「…?」
頭をぽんぽん、と叩かれたけど、あたしはその『大丈夫』の意味が理解できない。
首を傾げていると篠原があたしの手を握って立たせた。
「…さ、行こう」
篠原に手を引かれ、あたしは昇降口に向かった。