ツンデレちゃん!!
…完全無視して黒板を見る。
大っ嫌いな数学だけど……
今は、こうせざるを得ない。
「早川さん、亮太くんにあげなよ、シャー芯」
「…?」
ちらりと声のする方を見ると、右斜め前の席の、いかにも女子って感じの女子が、あたしを上目遣いで見てきている。
くそてめぇ余計なことを…っ‼
「亮太くんにシャー芯受け取ってもらえるなんて羨ましすぎるーっ‼」
さらには前からも、そんな声が聞こえてきた。
黙れ黙れ黙れッッ
羨ましいなら無理矢理にでもヤツにあげればいいじゃん‼
「…いいよ、あとは俺が言うから」
ヤツはそう言うと、女子どもを前に向かせた。
もう1回言っとくけど、あげる気なんか、さらっさらないからね‼
あたしは再び黒板に集中した。