ツンデレちゃん!!






「……さんきゅー」


「っ、」




今まで散々性悪男で意地悪くしか笑わなかったくせに、あたしの手のひらからシャー芯ケースを受け取った時の顔は、びっくりするくらい柔らかかった。



不覚にも、こんなヤツに一瞬見惚れてしまった。






「……え?」


「…あ?」




ケースからシャー芯を何本か取り出して返してくれるのかと思いきや、そのままペンケースにしまいだしたヤツを見て、あたしは思わず声をあげた。




「……返してくれないわけ…?」


「んだよ、文句言うなら今すぐここで…」


「うわああああごめんごめんごめん‼‼‼」



それだけはまじ勘弁‼‼






「……ふ。ますます好きになるじゃん」


「…え?」




〝ちゅ〟




……なんか頬に違和感…。



………エ、イマナニサレタノアタシ?





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