ツンデレちゃん!!
ヤツに捕まえられた拍子に落としてしまった鞄を拾っていると、後ろから「くっくっ…」と笑い声が聞こえた。
あたしは反射的に振り返ると、そこには、すでにヘラっとして立ち上がり、口元を手の甲で押さえながら必死に笑いを噛み殺しているヤツがいた。
「なっ…」
「くくっ……早川、超面白れぇ!」
「……はあ?」
今の流れで、笑える要素はなに1つとしてなかった。
あたしにも気づかないような、ちっぽけなことで笑えるのか。
お前の頭は幸せだな。
「くっ……早川、さっき一瞬ビクッとしてさ、くくっ…その後腹パンチ食らわしてくるとは予想外だった」
………は?
なに、笑ってる内容それ⁉
意味不明。
あたしが顔をしかめている間も、ヤツの笑いは止まらない。