おべんとう【短編】




でも、そんな弁当作りも面倒にで感じて、「今日は学食でいいか……」なんて考えてしまう時もある。


だから、いつもより長く、ごろごろごろごろ。


気付いたら、時間も迫ってくる。


重たい体を起こしてリビングに行くと。


そこには、風呂敷で丁寧に包まれたお弁当箱、その隣に、手拭いで巻かれたペットボトル。


そうそう、和柄が好きなんだ、私は。


でも、何でその好きな和柄に包まれた、弁当箱とペットボトルがあるの?


ちょっとだけ、視線をずらすと。





「おはよー」





のんびりした口調で言いながら、朝ごはんを頬張るお母さん。


……作ってくれたの?


なんて、聞く前に。





「今日はお母さんが作ってあげたんだよ。何か言うことは?」





って、必ず言ってくるんだ。



< 3 / 7 >

この作品をシェア

pagetop