おべんとう【短編】
でも、そんな弁当作りも面倒にで感じて、「今日は学食でいいか……」なんて考えてしまう時もある。
だから、いつもより長く、ごろごろごろごろ。
気付いたら、時間も迫ってくる。
重たい体を起こしてリビングに行くと。
そこには、風呂敷で丁寧に包まれたお弁当箱、その隣に、手拭いで巻かれたペットボトル。
そうそう、和柄が好きなんだ、私は。
でも、何でその好きな和柄に包まれた、弁当箱とペットボトルがあるの?
ちょっとだけ、視線をずらすと。
「おはよー」
のんびりした口調で言いながら、朝ごはんを頬張るお母さん。
……作ってくれたの?
なんて、聞く前に。
「今日はお母さんが作ってあげたんだよ。何か言うことは?」
って、必ず言ってくるんだ。