【短編】野球バカに恋した結果
言い終わってから耳まで真っ赤にしながらキャップを深くかぶって顔を隠す大輝が、可愛くて。
本当に、悪気はなかったんだ。
身体が勝手に動いてて、気付いたときにはもう遅かった。
「んっ…」
大輝の唇に自分の唇を重ねて、ちゃっかり背伸びまでしてるあたし。
自分でも驚いて即座に唇を離すと、大輝は一瞬ニヤリと笑ってあたしを抱きしめた。
「ちょっ…」
「さっきのってさ、告白?」
「へ?」
「野球バカな大輝が好き、みたいなこと言ってたじゃん」
「い、言ったっけ?そんなこと」
「あ?忘れただなんて言わせねえよ?」