【短編】野球バカに恋した結果
あたしがこの高校を第一志望にしたのも、野球部のマネージャーになったのも、大輝が頑張る姿を誰よりも近くで見ていたかったから。
少しでも、大輝の力になりたかったの。
「ありがとう、そう言ってくれる奴がいるだけで満足だわ」
カラスの鳴き声もいつの間にか聞こえなくなり、薄暗いグラウンドの脇でたたずむことしかできない。
結局は本人の意思で決めることだから、あたしにはもうどうにもできないのかもしれない。
でも。
それでも。
「あたしが支えになるよ」